みちしずく 〜サツマイモ基腐病で被害を受けた焼酎界の救世主〜 

お知らせ

焼酎の原料「コガネセンガン」に代わる新品種をご存じでしょうか?
サツマイモ基腐病で被害を受けた焼酎界の救世主「みちしずく」に迫っていきます。

みちしずくはコガネセンガンの後継者


2022年に公表された新品種で、主に鹿児島県や宮崎県で栽培されています。


基腐病に強く、焼酎やでんぷんの品質が高いと評判で、
香りと味は「コガネセンガン」の焼酎を彷彿とさせます。

基腐病で収穫量が減ってしまった「コガネセンガン」に代わる品種になることから、
新たな道を切り開き、夢と希望に満ち溢れる品種になってほしいと命名された、
まさに焼酎界の救世主!

推したいのは、たくましさ


基腐病に負けないたくましさに惚れます。


基腐病とは、茎や葉の枯が枯れ、サツマイモが腐ってしまう病気のこと。

2018年に南九州で確認されて以降、全国に急速に広がり、
2020年には全国の収穫量が前年と比べて6万トンも減少。

過去最少を更新してしまいました。

焼酎に欠かせない「コガネセンガン」も影響を受け、焼酎の原料不足が深刻な問題に。

特に鹿児島県や宮崎県の焼酎生産地では、農家のサツマイモ離れや、焼酎の生産量が減少し、一部の商品は販売休止に追い込まれるほどでした。

そんな状況の中で誕生したのが「みちしずく」。

基腐病に強い「こないしん」と「九系09187-14」を掛け合わせ、
「コガネセンガン」よりも基腐病に強い起死回生の芋が生まれたのです!

芋関係者が求めていたこのたくましさ!ため息が漏れるほどかっこいい・・・。

コガネセンガンと酷似?


「みちしずく」は、焼酎にした際の香りと味が「コガネセンガン」に似ているといわれています。


どれほど似ているのか、両者の特徴をまとめてみました。

みちしずくコガネセンガン
開発年
皮色
肉色
香りと味
基腐病抵抗性
焼酎醸造適性
主な用途
2021年
黄白色
淡黄白色
コガネセンガンの焼酎に類似
強い
高い
焼酎、でん粉
1966年
黄白色
淡黄白色
コガネセンガンの焼酎
弱い
高い
焼酎、でん粉


気が合いますね(笑)

年の差55歳で、見た目の特徴もほぼ一致しているのはもはや運命!

焼酎界を支える両者を「箱推し」していきたいと思います。

生産地拡大に期待


みちしずくの主な産地は、焼酎の生産が盛んな鹿児島県と宮崎県。
2021年に栽培が始まり、翌年には130haで栽培されました。


2025年には2000ha以上の普及を目指しているとのことで、みちしずくが売れっ子になる日も近いかも!?

期待が高まります♪

焼酎で愛でたい


みちしずくを扱う焼酎メーカーがじわじわと増えてきていると感じます。


以前、試験的につくられたみちしずくの焼酎を試飲させていただきました。

ふわっと優しく広がる芋の香りにコガネセンガンの面影を感じましたが、味は、ハチミツのようなコクのある甘みで上質な味わい!


似ていながらも、みちしずくの個性が発揮され、何だか多様性の現代に馴染む焼酎のように感じました(笑)

生芋をスーパーなどで見かける機会は少ないですが、
さつまいもの専門店では、今後、みちしずくを使ったお菓子を販売する予定だそう。

スイーツデビューも待ち遠しい♪

食べられた暁には、またここで報告させてください。

まとめ


未来を担う「みちしずく」は、農家さんや事業者さんのスーパーヒーロー!
ベテラン品種とともに切り開く焼酎の新時代に、胸が高鳴ります♩


鹿児島のさつまいも特集ページはこちら🍠 

https://gururi-japan.com/?tid=2&mode=f56

ライター:かごしまぐるり さつまいも部長🍠 鳥越佳那

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